普通車のナンバープレートを交換する際に、陸運局へ車を持ち込まずにナンバープレートの交換ができる「出張封印」という制度があります。
この「出張封印」は一部の行政書士が行う事ができるのですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?また、行政書士へ依頼する場合の流れや費用はどうなのでしょうか?
ここでは「出張封印」の概要や流れ、費用について解説します。
出張封印とは?行政書士が自動車のナンバープレートを取り付ける業務
自動車の売買や引っ越しで住所が変わった場合には、車検証の書換が必要になります。売買であれば、「所有者」、「使用者」が変わりますし、引越しなら「住所」が変わります。
こういった場合に、車検証上の住所を管轄する陸運局から、別の陸運局管轄の住所になる場合には「ナンバープレートの交換」が必要になります。(例えば「大阪」ナンバーから「神戸」ナンバーに変わるような場合)
後述しますが、普通車のナンバープレートを交換する際には後ろ側のナンバープレートの左上に、登録が完了した証として「封印」を受けなければなりません。この封印は通常、陸運局で受ける必要があるのですが、その場合車を陸運局へ持ち込まなければなりません。
しかし、一部の行政書士は、この「封印」を車庫や自宅へ出張してすることができます。要するに車を動かさなくてもナンバープレートの交換ができるという事です。この事を「出張封印」と呼んでいます。
封印が必要な普通車の登録・名義変更・番号変更
普通車のナンバーが変更になる場合には、古いナンバープレートから新しいナンバープレートへ交換するのですが、交換後に後ろのナンバーの左上に登録が正常に行われた証明として「封印」を受けなければなりません。

「名義変更」では、車の「所有者」、「使用者」が別人になるわけですが、住所も変わる場合で陸運局の管轄が変わる場合には、ナンバープレートが変わりますし、ナンバープレートを「図柄ナンバープレート」や「希望番号のナンバープレート」に交換する際にもナンバープレートの交換が必要になるので、「封印」を受ける必要がでてきます。
陸運局へ車両を持ち込まない出張封印の仕組み
「封印」は通常であれば、陸運局に車を持ち込んで、資格者の確認を得た上で受けなければなりません。
しかし、一定の資格を持った「行政書士」であれば、現地でこの「封印」を行う事ができるため、行政書士自身が車庫等の車の保管場所へ赴けばよく、車両を陸運局へ持ち込む必要が無くなります。
軽自動車のナンバー手続きと封印の違い
軽自動車には「封印」がありません。そのため、ナンバープレートの交換時にも車両を軽自動車協会(軽自動車の車検証の書換手続きは陸運局ではなく軽自動車協会)に持ちこむ必要はありません。
車の持ち込みは必要ないのですが、車の持ち込みをせずにナンバープレートの交換をする場合には、当該軽自動車はナンバープレートが外れた状態になるので、その車は公道を走らせる事ができません。そのため、別の移動手段を使って軽自動車協会にいくか、代わりの人に行ってもらうといった方法を取る必要がでてきます。
出張封印を行える行政書士の資格|丁種封印資格とは
出張封印を行える行政書士が持つ資格の事を「丁種(ていしゅ)封印」と言います。
行政書士全員が出張封印を行えるわけではなく、この「丁種封印」資格を持つ、行政書士のみが出張封印を行うことが出来ます。
丁種封印と行政書士事務所に求められる要件
丁種封印の資格は、自動車登録について相当の実績と、業務に精通している行政書士が選ばれます。
(具体的には、自動車登録業務に関する経験5年以上、書類作成通算500件以上。(大阪府の場合))
他にも、行政書士会の会費を滞納しているもの等は資格を得ることができません。
行政書士による出張封印の手続きの流れ
出張封印の手続きの流れを見ていきましょう。
事前確認から車庫証明・必要書類の作成まで
まずは、出張封印が必要な手続きかどうかを確認します。ナンバープレートの交換が発生しない場合には基本的には「封印」の必要がありません。
ですのでナンバープレートの交換が必要かどうかを確認します。
ナンバープレートの交換では、自動車の使用の本拠地が変わる為、車庫証明が必要になります。
車庫証明は車を保管する場所を管轄警察署に対して行います。車庫証明の取得に必要な書類を収集、作成し管轄の警察署に申請します。申請後、問題がなければ約1週間程度で車庫証明が発行されます。
この車庫証明書は、車検証の書換の際に必要となります。
陸運局での移転登録・新規登録・車検証交付
車庫証明を取得した後は、陸運局での手続きになります。各種手続き(名義変更(移転登録)、新規登録(中古車を購入した場合等の手続き))を経て新しい車検証とナンバープレートが交付されます。
陸運局での手続きの際にも、登録内容に応じた書類が必要になります。例えば引っ越しであれば「住民票」、名義変更であれば「印鑑証明書、譲渡証明書」等です。警察署で取得した車庫証明書もこの時に必要になります。
現地でのナンバープレート交換と封印の取付け
陸運局では、車検証の書換時に新しいナンバープレートが交付されますので、それを受け取り、お客様が指定する車庫等でナンバープレートの交換を行い後部ナンバープレート左上に「封印」を行います。
通常であれば、車両を陸運局に持ち込んでナンバープレートの交換をし封印を受けなければなりませんが、行政書士が出張して現地で封印をすることから「出張封印」と呼ばれます。
出張封印時に必要になる書類
出張封印時に必要になる書類は、通常の車検証書換手続きに必要な書類と同様です。(厳密に言うと、行政書士側で用意する書類(ナンバープレート返納に関する誓約書等)は別にあります)
住所変更、名義変更等の車検証書換時に必要になる書類を準備します。
名義変更で必要な申請書・委任状・譲渡証明書
一例として、自動車の「名義変更」(移転登録)時に必要となる書類を列挙します。
- 申請書
- 譲渡証明書
- 旧所有者の印鑑証明書
- 旧所有者の委任状
- 新所有者の印鑑証明書
- 新所有者の委任状
- 車庫証明書
上記は必ず必要になる基本書類です。申請する際の状況によってはこれら以外にも追加で書類が求められる場合があります。また、名義変更ではない別の手続き、例えば住所変更等では用意する書類が異なってきます。各手続に必要になる書類についてはここでは割愛させていただきます。
車庫証明、車検証を揃えるポイント
車庫証明は出来上がりまでに約1週間程かかるので、先に車庫証明に必要な書類を集めるのがポイントです。もちろん最初からすべて揃えてから申請しても良いです。
車検証の書換時には住民票や印鑑証明書といった公的書類を求められますが、これらは発行から3カ月以内のものでなければならないので、発行日から日数が経過している場合には、3カ月を超えていないかどうか注意する必要があります。もし、3カ月を経過していた場合は取り直しになります。
希望番号・図柄入りナンバープレートを申請する場合
ナンバープレートを交換するついでに、「希望番号ナンバープレート」や「図柄入りナンバープレート」にしたい場合もあるでしょう。
その場合は、事前に「希望ナンバー」や「図柄入りナンバー」の予約をしておきます。
予約はWeb上から行います。申し込みから発行可能になるまで1週間から10日程度要しますので、車庫証明申請がある場合は、申請の際に申込をしておけば車庫証明できあがりのタイミングにナンバープレートの交付が受けられる時期になりますので、お勧めです。
希望番号は希望する番号、例えばゾロ目ナンバー等の場合は抽選になるので、落選した場合にはその分余計に時間を要することになります。人気番号の抽選は1週間に1回のタイミングで行われますので落選した場合には、1週間後に再抽選となります。
出張封印を行政書士へ依頼する費用・報酬の相場
出張封印を行政書士へ依頼する場合の費用はどれくらいでしょうか?
出張封印の報酬と登録代行料金の内訳
行政書士に出張封印を依頼する場合は、出張封印のみというよりも、名義変更や引っ越しに伴う車検証の書換手続きを同時に依頼する事の方が多いでしょう。
出張封印は約1万1千円(令和7年度の行政書士会報酬統計平均値)、登録は約2万3千円(令和7年度の行政書士会報酬平均値)となっています。(行政書士によって報酬額はバラバラなので目安とお考えください。)
出張封印と登録費用込みの報酬額で提示している行政書士もいれば、別々になっている所もあります。この辺りは問合せやホームページ等で事前によく確認した方がよいでしょう。
ナンバープレート代・別途費用の確認方法
上記の報酬額とは別に実費としてナンバープレート代、交通費が必要になる場合があります。
管轄の陸運局へ問合せすればナンバープレート自体の金額を確認することができます。ちなみにナンバープレートは通常の一連ナンバープレート、希望ナンバープレート、図柄入りナンバープレートで金額が異なります。
交通費については依頼する行政書士に確認してみましょう。
距離・書類取得で変わる価格の目安
実費を別途で請求する行政書士について言えば、行政書士事務所と陸運局までの距離、出張封印する場合の自宅等までの距離が遠い場合には交通費の金額が上がる可能性が高いです。
書類取得で言えば、ある程度書類が揃っている状態なのか、それとも書類収集も全てまかせるのかで業務量が変わる為、金額に差がついてくるでしょう。
実務上、車庫証明+自動車登録+出張封印というケースも多々あります。この場合車庫証明申請代行に対する報酬も発生するわけですが、この時も車庫の図面が有るか無いかや使用承諾書の取付けを代行してもらう場合等には別途費用が発生する場合もあります。
出張封印を依頼する行政書士の選び方
出張封印を依頼する場合には、どのような行政書士を選べば良いでしょうか?
希望する都道府県・地域で出張対応できるか確認する
出張封印する事ができる行政書士は全国どこでも出張封印対応できるわけではありません。
大阪の行政書士なら大阪(なにわ、堺・和泉)ナンバーの封印しかできませんし、兵庫県の行政書士なら神戸(姫路)ナンバーの車しか封印することができません。
(ここでは割愛しますが、「再々委託」という形であれば、大阪の行政書士が、神戸ナンバーの封印をすることができます。この場合、大阪と兵庫の行政書士が連携して封印を行う事になります。)
ですので、対応できるかどうかをまず確認した方が良いでしょう。
連絡から提出・発行までの納期と対応範囲を比較する
依頼する行政書士によってはすぐに対応できない事務所もあるでしょう。
ですので、自分が許容できるスケジュールで業務を完了できるかどうかを確認しておくことが重要です。
また、打合せがしやすい行政書士を選ぶのも重要です。申請する内容等の確認のためやりとりすることが結構多いですから。
コミュニケーションを取りやすい事は非常に大事です。
自宅等で出張封印をしてもらう場合に確認したい事項
残念ながら出張封印できないケースも存在しますので、出張封印の依頼を考えている場合で、該当してしまうと依頼を断られる場合もありますので確認しておきましょう。
字光式ナンバープレート
字光式ナンバープレートとは、ナンバープレートの文字が発光するタイプのナンバープレートです。このタイプのナンバープレートの場合、ナンバープレート交換後に文字の発光を確認しなければなりませんが、電気の配線等を調整する必要が出てくるので、対応していない行政書士が多いです。
特殊なネジ等でナンバープレートが装着されている。ネジが固着している。
ナンバープレートが特殊なネジ等で装着されている場合にも注意が必要です。専用工具等がありすぐ外せるなら問題がありませんが、中には工具をかける穴を埋めてしまうタイプのものも存在します。そういった特殊ネジがついている場合には、容易にナンバーの付け替えができないため、出張封印不可となります。
ネジがサビ等で固着している場合にも、ネジを回すことが出来ず、通常工具では取り外せない場合には、出張封印対応が難しくなります。
最低限の作業場所の確保
そこまでのスペースは必要ありませんが、ナンバーの脱着や車両の車台番号の確認を行うので、それができるだけの最低限のスペースの確保は必要となります。
⇒「出張封印」のことなら大阪車庫・自動車登録アシストセンターへお気軽にご相談ください。
