自家用自動車を有償で貸渡す事業をレンタカー事業といいますが、この事業を営むためには「許可」が必要です。時間がない方や煩わしくて自分でやりたくない方は専門家(行政書士)に依頼したい方もいらっしゃるのではないでしょうか?
その場合、どれくらいの費用が掛かるか知りたいですよね。
今記事では、レンタカー許可を専門家(行政書士)に依頼した場合の報酬等のお話をメインに解説したいと思います。
レンタカー許可を行政書士に依頼する報酬・費用の相場
もし行政書士にレンタカー許可の代行を依頼した場合にはどれくらいの報酬・費用が発生するのでしょうか?
行政書士報酬の料金表で確認したい基本料金と別途実費
実は行政書士への報酬額は決まっているわけではありません。ですのでその行政書士の設定している金額次第の部分があります。一番早く確認できるのはインターネットで検索して、表示された行政書士のホームページで料金を確認すれば相場はどれくらいか当たりをつけることが出来ると思います。
料金の設定は様々で、ポッキリ価格や交通費や郵送費は別としているなど色々とあります。
ちなみに参考として、5年に一度日本行政書士会連合会が公表している報酬額統計によればレンタカー許可(自家用有償自動車貸渡し許可)の最頻値は5万5千円(立替金除く)となっています。
レンタカー許可申請にかかる費用の合計と料金の内訳
レンタカー許可取得にかかる費用は以下の通りです。
9万円(登録免許税)+5万5千円(行政書士費用)+自動車任意保険+実費(証明書類代、交通費、輸送費)
自身で許可申請する場合には専門家へ支払う報酬は不要となります。
申請代行の依頼で報酬が変わるケースと追加料金
書類作成のみという料金を設定している行政書士もいます。その場合には陸運局の代行も依頼するとその分追加料金が発生する場合もありますので、事前によく確認しましょう。
レンタカー許可の行政書士報酬を左右する6つの要因
6つの要因とは「事業規模」、「車両数」、「申請代行有無」、「エリア」、「相談料」、「レンタカー車両登録」です。
個人、法人やレンタカー開業の事業規模による違い
個人でするのか法人でするのかといった事業規模で報酬が異なるケースがあります。事業規模が多きけれ大きいほど確認事項が増えますし、責任が重たくなるためです。
1台からの開始、車両追加、レンタカー登録の有無による対応範囲
レンタカー事業は台数による制限はないため、1台から始めることが出来ます。
レンタカー許可の申請とレンタカーとして車両を登録する手続きは、別にになります。
依頼しようとする行政書士の許可申請とレンタカー登録が別料金なのであれば、レンタカー登録する車両が増える度に料金が増えて行くことになるため注意が必要です。
エリア、運輸支局への提出、出張・電話対応が費用に与える影響
依頼する行政書士が申請書提出代行をしてくれるとしても、その行政書士の事務所と提出先の陸運局までの距離が遠いと、その分出張交通費がかかってしまいます。
また、許可申請をするにあたって、行政書士に相談したいことも出てくると思います。行政書士によっては相談料を請求される場合があるのでこの点についても事前によく確認したほうがよいでしょう。
レンタカー事業に許可は必要? 不要・無許可と判断できるケース
レンタカー許可は必ず取らないといけないものなのでしょうか?
有償で自家用自動車を貸渡しする場合はレンタカー許可が必要
お金をもらって使用者が自身名義の車を貸し出す場合には必ず許可が必要です。
許可不要となる利用形態
お金をもらわずに貸し出すのであれば許可は不要となります。
また原動機付自転車(125cc以下)、特殊自動車(特殊用途自動車ではありません)の貸し出しは許可不要です。
無許可でレンタカー事業を開始するリスクと該当しやすい例
無許可でレンタカー事業を行った場合にはその自動車の使用の禁止や制限が課せられます。また100万円以下の罰金に処されます。
車検証上の「使用者」がお金をもらって車を貸す場合にはレンタカー扱いとなります。一部レンタカー許可が不要な区分の車両もありますが、このケースではレンタカー許可が必要なのだと思っていた方が良いです。
レンタカー許可基準と開業前に満たすべき要件
レンタカー許可を受ける為には許可の基準を満たしている必要があります。許可基準としては、欠格要件に該当していないこと、「白トラ」、「白タク」、「白バス」など自動車運送事業経営類似行為により処分を受けていない事、適正な任意保険に加入していることがあります。
営業所・事務所、貸渡自動車、配置体制に関する許可基準
営業所・事務所、貸渡し自動車、配置体制についての許可基準というのは定められていませんが、レンタカー許可をするにあたって貸渡し車両については条件が付されます。
それは、自家用バス(乗車定員30名以上、全長7mを超える車両)、と霊柩車は貸し出ししてはならないという条件です。自家用のバスと霊柩車はレンタカーとして貸し出すことはできません。
また、配置事務所では貸渡し状況、整備状況等車両の情報を把握し、適正な管理を行わなければなりません。
レンタカー貸渡し約款と料金表の作成で抑えるポイント
レンタカー許可事業を営むためには許可が必要なのは前述した通りですが、その際に「貸渡約款」と「料金表」です。
「貸渡約款」というは、レンタカーを貸し出しするにあたってのルール等をさだめた契約書のようなものです。「料金表」は文字通りレンタカーを貸し出すときの料金表です。
これらは自身で作成しなければなりません。作成のポイントとしてはレンタカー協会の様式を使う事や既存の業者のものを参考に作成するのが一番手っ取り早いです。ただしレンタカー協会の様式は会員でないと使えないので注意が必要です。
自動車の整備・管理体制など、許可取得後も必要な運用要件
自動車の整備や管理については、道路運送車両法に定められた点検(日常、定期)、や整備を行わなければなりません。
許可取得後は毎年度、前年度分の「貸渡実績報告書」、「事務所別車種別配置車両数一覧表」を管轄の陸運局に提出しなければなりません。
レンタカー許可申請の必要書類と行政書士が作成する書類
レンタカー許可を申請する際には様々な書類が必要となります。また、行政書士に依頼する場合、基本的にはほとんどの書類を行政書士が作成してくれると思いますが、中には一部の書類しか作成しない行政書士もいますので事前によく確認するようにしましょう。
許可申請で必要書類となる申請書、事業計画、貸渡約款、料金表
申請書と事業計画書は一体となった様式を管轄の陸運局ホームページ等でダウンロードることができます。「貸渡約款」については特に様式等はないので自作しなければなりません。
「料金表」についても「貸渡約款」と同様に自作しなければなりません。車種と時間で基本料金を設定しそれを貸渡料金とするケースが一般的です。
個人申請と法人申請で異なる添付書類
個人申請と法人申請では添付書類が若干異なります。
個人申請の場合は「住民票」、「法人申請」の場合は「法人登記簿謄本」が必要になります。
レンタカー許可の手続きの流れ|申請から取得まで
レンタカー許可の申請~事業開始までの流れは以下の通りです。
- 準備
必要書類収集、申請書作成
- 申請
事務所を管轄する陸運局に申請
- 審査
審査期間は約1カ月
- 許可
許可書交付
登録免許税納付(9万円)
行政書士への相談・依頼から許可申請までの進め方
行政書士へ依頼する場合には上記フローの前段階として行政書士への相談と依頼の手続きが生じます。ですが基本的には後の手続きは行政書士が代行してくれるケースが多いので、確認や連絡等、許可が下りるまでは行政書士のとやりとりが主にになるでしょう。
許可後の貸渡し開始に必要なレンタカー登録
レンタカー許可を受けただけではまだ、レンタカー事業を開始する事は出来ません。レンタカー許可後には「レンタカー事業者証明書」という書類が交付されますので、それを貸渡しする自動車の登録部門に添付してレンタカーとして登録をします。(これでわナンバーのナンバーがつきます。)
行政書士にレンタカー許可を代行依頼するメリットと注意点
レンタカー許可取得を行政書士に代行依頼するメリットはどんなことでしょうか?また注意点は?
許可要件の事前確認から書類作成まで任せられる
行政書士に依頼する事で得られるメリットはすべて丸投げできる点です。事業の許可を受ける為通常であれば、許可基準(要件)を確認したり、必要書類の調査・収集、補正対応までやることが結構あります。
これらを丸投げできるのはその分の時間を別の事に使う事も出来ます。時間というコストの削減にもつながります。
報酬だけで選ばないために確認したい対応範囲と実費
注意点としては、報酬額だけで安易に行政書士を決めない方がいいという点です。
例えばですが、報酬額が安いから依頼したら、実費は別で結局はそんなに安くなかったですとか、やはり行政書士も人間ですので相性の問題もあります。一番いいのは何人かに相談してみて一番フィーリングが合いそうな人に依頼した方がいいと思います。
報酬は安いが態度が横柄であったり、連絡をなかなかよこさなかったりとかえってストレスがたまるだけだったなんてことも起こり得ます。
依頼前に行政書士事務所に伝えるべき事業計画と質問事項
行政書士に依頼する場合には、コミュニケーションが何より大切です。事業計画は事細かに伝えるべきです。これくらいわかるだろうと伝えないでいると勘違いの元になったりします。コミュニケーションのコツとしては細かすぎるくらいで問題ないと思います。行政書士としては細かい情報が分かると書類収集や申請書作成が楽になりますので、是非細かすぎるくらい情報は伝えましょう。
質問についても、些細な事でもバンバン聞いた方が良いです。行政書士としてもお客様がどんな状況なのかできるだけ知りたいと思っているからです。
レンタカー許可の費用を抑えながら確実に開業するためのまとめ
費用を抑えたいなら自身で手続きを行うのが一番です。確実に開業したいなら専門家(行政書士)にまかせるべきです。この両者は相容れない関係です。
ですので考え方としては、自身で手続きすれば安いけど大変。専門家(行政書士)に頼めば少し費用は掛かるけどらくちんというかんじでしょうか(多少表現がおおげさですが)
レンタカー開業前に確認したい許可、貸渡の準備
レンタカー許可を開業するということは、自動車を使ったビジネスをするということです。自動車を使ったビジネスは他にも自動車販売や運送業、産業廃棄物収集運搬業と多岐に渡ります。
もし行政書士への依頼を考えているのであれば、こういった事業の許可もまかせてみるのはどうでしょうか。行政書士は許認可のプロです。また自動車専門の行政書士であればこれらの事業の許認可を取り扱っている可能性が高いです。
同時に複数の許認可を依頼すれば後で別々に許可をとるよりも安くやってくれる可能性が高いです。
貸渡しの準備としては、やはりレンタカー事業をやるのですから、事務所、貸渡す車、駐車場の確保は必須と言えます。
自社に合う行政書士へ相談し、スムーズな事業開始を目指す
フィーリングがあう行政書士を選ぶべきというのは前述しました。個人的にはやはり相性が一番大事だと思います。行政書士は許認可のプロですので、依頼があれば許可はそつなく取ってくれるでしょう。
ただし、許認可には変更届や更新がつきものです。
つまり付き合いが長くなる可能性があるという事です。相性が合わない行政書士には次に頼む気にならないのではないでしょうか。
そうであればやはい相性が合う行政書士がお勧めです。
また大手だから安心ということもありません。担当者がよい人ならいいですが、そうとも限りません。
途中で行政書士を変えるのも大変ですので、自社にある行政書士を最初の段階で見つけておきましょう。
