【運送業許可】運送業の標準的な運賃(令和6年標準運賃の告示がありました)

貨物運送事業における「運賃」及び「料金」は以下の用に定義されています。

  • 運賃
    貨物の場所的移動の対価(貨物の積付けであって、シート、ロープなど通常貨物運送事業者が備えている積付用品による作業への対価を含む)
  • 料金
    1. 貨物運送事業者が受託する運送以外の役務に対する対価であって以下のもの
      • 積込み料また取卸料
        貨物の発地または着地において、荷送人または荷受人の依頼により、貨物運送事業者が行う貨物の車両への積込みまたは車両からの取卸し(貨物の積付けであってシート、ロープなど通常貨物運送事業者がそなえている積付用品による作業を除く)に対する対価
      • 待機時間料
        車両が貨物の発地または着地に到着後、荷送人または荷受人の責により貨物運送事業者が待機した時間(荷送人または荷受人が貨物の積込み若しくは取卸しまたは付帯業務を行う場合における待機した時間を含む)に対する対価
      • 附帯業務料
        荷送人または荷受人の依頼により、貨物運送事業者が行う品代金の取立て、荷掛金の立替、貨物の荷造り、仕分、保管、検収および検品、横待ち及び縦待ち、棚入れ、ラベル貼り、はい作業(倉庫等において箱等を一定の方法で規則正しく積み上げたり崩したりする作業)その他の貨物運送事業に附帯して一定の時間、技能、機器等を必要とする業務に対する対価
    2. 深夜・早朝配送等の特別な費用が発生する輸送により増加する費用をまかなうために収受するためのもの

標準的な運賃・料金

トラック運送業において、運転者の労働環境は他の産業と比べて長時間労働・低賃金の状況にあり、運転者不足が大きな課題となっています。

こうしたことから、運転者の労働条件の改善等を図るため「標準的な運賃の告示制度」が導入されました。

この制度は、一般にトラック業者の荷主に対する交渉力が弱いことや、令和6年度から年間960時間の時間外労働の限定時間が設定されること等を踏まえ、運転者の労働条件を改善し、トラック運送業がその機能を持続的に維持していくに当たっては、法令を遵守して持続的に事業をおこなっていくための参考とする運賃を示すことが効果的であるとの趣旨により設けられたものです。

標準的な運賃は、トラック事業の能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを基準としています。また、原価の算定に当たっては、ドライバーの賃金を全産業の標準的水準に是正すること、コンプライアンスを確保できることを前提としています

標準的な運賃は、運送事業者が法令を遵守して持続的に事業を運営する際の参考となる運賃を示すものであり、標準的な運賃と異なる運賃をしたことのみをもって罰則が科されることやペナルティを受けるものではありません。

しかし、運送事業者において、事業用自動車の必要な点検整備の未実施、最低賃金法に基づき定められた最低限度額より低い賃金の支払い、社会保険への未加入等により不当に原価を抑えて事業を行う等の法令違反が確認された場合には、行政処分が行われます。

また、荷主が一方的に、設定した運賃額より低い運賃で運送委託等を行う等により、下請法・独占禁止法に違反する場合には、これらの法律に基づく処分の対象となるほか、不当に低い運賃額の支払いが運送事業者における過労運転・過積載運行を招く等、荷主の行為が運送事業者の法令違反の原因となるおそれがある場合には、関係行政機関の長と連携し、荷主への要請等を行われることになります。

令和6年3月には新たな標準運賃が告示されました。

以下、国土交通省のリーフレットの一部と告示の内容の一部をご参考として掲載いたします。

出典:国土交通省
出典:国土交通省告示第二百九号一部抜粋(近畿運輸局、距離制運賃)


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