【農地転用】農業振興地域農用地区域内農地(青地)を農業後継者の家の土地を目的とした農地転用はできるか?

例えば、ある農家が農業振興地域の農用地区域内にしか農地を所有しておらず、後継者のための家を建てるために自分の農地を転用することはできるのでしょうか?

農業振興地域の農用地区域は、今後長期にわたり農業上の利用を確保すべき区域として、農業公共投資が集中して行われる区域でもあります。

そのため農業振興地域農用地区域内農地(以下、青地)は原則転用することができません。

税金が投入され整備された生産性の高い優良農地ですので、

農地を守ったり(農地法)、農業の振興を目的にした法律(農振法)の趣旨から考えると当然といえます。

原則転用できない青地なのですが、農用地区域にしか設置することが困難で(代替地がない)さらに地域計画(地域での話合いにより目指すべき将来の農地利用の姿を明確化したもの)の達成に支障を及ぼすおそれがない等の場合に限り、例外的に農用地区域を除外し、農地転用できることとなっています。

青地を農地転用する場合には、まず農用地区域から該当の土地を除外してもらい(農振除外という)、その後に農地転用するという流れになります。

冒頭のケースで言えば、代替地がなく、地域計画等に支障を及ぼさないこと等が認められれば農振除外が可能になると考えられます。

農振除外後に農地転用の許可(農地法5条の許可)を得ることができれば農地転用できるのですが、農振除外の要件と農地法による農地転用の許可要件は異なりますので注意が必要です。また、後継者の家を建築(分家住宅)するとなると開発許可も必要となります。

農振除外、農地転用、開発許可と手続きが複雑になりますので、事前に農業委員会等への相談が必要となります。