【農地転用】共有農地は単独で農地転用することはできるのか?

農地を農地以外にすることを「農地転用」といいます。例えば、農地に家を建てたり、駐車場にしたりといったことですね。

農地を農地以外にすることは「農地法」という法律により厳しく規制されています。なぜなら、農地は農業生産の基盤であり、国や国民にとって大事な資源だからです。

ですので、「農地転用」をするには農地法による「許可」を得なければなりません。「農地転用」の許可は行政に許可の申請を行い、要件が整っていれば「許可」されます。

自己転用(自分のための)は農地法4条の許可、権利の移転や設定が伴う転用なら農地法5条の許可が必要となります。

自分の土地(農地)を駐車場にする場合等、「農地転用」をするには、もちろん自分が行政に対して申請することになるのですが、この農地が共有状態(自分と自分以外の者で共有している)である場合には、自分だけで許可の申請をすることができるのでしょうか?

例えば、自分と兄弟で農地を相続した場合など、農地の所有が自分と兄弟で共有状態であったとします。兄弟が海外に住んでいて、自分のためにその農地の一部を駐車場(20㎡)として転用したい場合、自分単独で農地転用をすることはできるのでしょうか?

結論から言うと、自分ひとりだけでの申請は出来ません。

農地の転用は、土地の形質の変更にあたります。

共有物の変更については、民法で以下のように定められています。

第二百五十一条 

各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。

民法

ですので、農地転用をする際には、共有者全員の同意を得て、農地法の許可申請を行う必要があります。

また、農地法の許可基準の一つ「一般基準」と呼ばれる基準の一つに、

第四条六項第 

申請者に申請に係る農地を農地以外のものにする行為を行うために必要な資力及び信用があると認められないこと、申請に係る農地を農地以外のものにする行為の妨げとなる権利を有する者の同意を得ていないことその他農林水産省令で定める事由により、申請に係る農地の全てを住宅の用、事業の用に供する施設の用その他の当該申請に係る用途に供することが確実と認められない場合

農地法

農地法でもこのように、定められています。

今回のケースでは、農地法の手続き上2人の連名による許可申請を行う必要があります。


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