農業経営している者が自作の野菜を販売するための施設を農用地区域内農地(通称:青地)に設置することは可能なのでしょうか?
農地を農地以外にする場合は通常、農地転用の許可が必要になりますが、
農業振興地域農用地区域内農地、通称青地は原則農地転用できません。
ただし、例外として「農業用施設」は青地であっても、農地転用できる可能性があります。
農振法では、農業用施設を以下のように定義しています。
(耕作又は養畜の業務のために必要な農業用施設)
第一条 農業振興地域の整備に関する法律(以下「法」という。)第三条第四号の農林水産省令で定める農業用施設は、次に掲げるものとする。
一 畜舎(家畜小屋)、蚕室(蚕を飼う部屋)、温室(ビニルハウス)(床面がコンクリート敷のものを含む。)、植物工場(閉鎖された空間において生育環境を制御して農産物を安定的に生産する施設をいう。)、農産物集出荷施設、農産物調製施設、農産物貯蔵施設その他これらに類する農畜産物の生産、集荷、調製、貯蔵又は出荷の用に供する施設
二 堆肥舎、種苗貯蔵施設、農機具収納施設その他これらに類する農業生産資材の貯蔵又は保管(農業生産資材の販売の事業のための貯蔵又は保管を除く。)の用に供する施設
三 耕作又は養畜の業務を営む者が設置し、及び管理する次に掲げる施設
イ 主として、自己の生産する農畜産物又は当該農畜産物及び当該施設が設置される市町村の区域内若しくは農業振興地域内において生産される農畜産物(ロ及びハにおいて「自己の生産する農畜産物等」という。)を原料又は材料として使用する製造又は加工の用に供する施設
ロ 主として、自己の生産する農畜産物等又は自己の生産する農畜産物等を原料若しくは材料として製造され若しくは加工されたもの(ハにおいて「自己の生産する農畜産物等加工品」という。)の販売の用に供する施設
ハ 主として、自己の生産する農畜産物等若しくは自己の生産する農畜産物等加工品又はこれらを材料として調理されたものの提供の用に供する施設(農家レストラン)
四 廃棄された農産物又は廃棄された農業生産資材の処理の用に供する施設(第三十八条において「農業廃棄物処理施設」という。)
五 農用地又は前各号に掲げる施設に附帯して設置される休憩所、駐車場及び便所
農業振興地域の整備に関する法律(農振法)施行規則
また、農林水産省の通知「農業振興地域制度に関するガイドライン」では
自らの生産する農産物等の使用の割合が他の農産物よりも量的または金額的に多いものであれば農業用施設とみなされるとあります。
ですので、設置しようとする施設がこれらの要件をみたしていれば、農業振興地域農用地区域内農地にも設置できるという事になり農地転用も可能になります。