トラック運送事業者(一般貨物自動車運送事業者)は運転者に対して、輸送の安全確保に必要な指導監督を行う義務があります。
また、運転者に対し、安全運行に必要な技能と知識を習得させ、他の運転者の模範となるべき運転者を育成するという重要な役割を持っています。
この責務を果たすためには、運転者が理解できるように、参加・体験・実践型の指導方法を取り入れるなど、その手法を工夫するとともに、社会情勢の変化に対応した内容とするため、幅広い情報収集も必要となります。
「運転者に対する指導・監督」は1年間を通して以下の項目について実施しなければなりません。
実施方法は1カ月に1項目ずつやっても良いですし、2カ月に1回2項目ずつやってもかまいません。
- トラックを運転する場合の心構え
- トラックの運行の安全を確保するために遵守すべき基本事項
- トラックの構造上の特性
- 貨物の正しい積載方法
- 過積載の危険性
- 危険物の運搬する場合に留意すべき事項
- 適切な運行の経路および当該経路における道路および交通の状況
- 危険の予測及び回避並びに緊急時における対応方法
- 運転者の運転適性に応じた安全運転
- 交通事項に関わる運転者の生理的および心理的要因とこれらへの対処方法
- 健康管理の重要性
- 安全性の向上を図るための装置を備えるトラックの適切な運転方法
運転者を集めて、これらを計画的に実施、「教育記録簿」として記録に残します(3年間保存)。
全員一度に集めて行っても良いですし、グループに分けて行う方法もあります。ただし、不参加だった人には後ほどフォロー教育をしなければなりません。
上記の項目について詳細にまとめてある国土交通省の「自動車運送事業者が事業用自動車の運転者にたいして行う一般的な指導および監督の実施マニュアル」とテキストとして利用するのもよいでしょう。
前述した「教育記録簿」には、実施日、実施場所、実施者、教育内容、参加者(運転者の氏名と印鑑)を記載します。
なお、この指導監督については、トラック協会の巡回指導でも、計画が作成されているか?定められた項目が教育されているか?教育記録簿が保存されているか?等をチェックされることになります。
トラック運送業の運行管理のことなら、運送業許可大阪アシストセンターへお気軽にお問い合わせください。