建設業許可業者の義務

建設業の許可を受けた業者は以下の義務を守らなければなりません。

許可行政庁への届出義務

変更の届出や廃業の届出など

標識の掲示、帳簿の備え付け・保存及び営業に関する図書の保存


適法な業者であると対外的に明らかにするため店舗、工事現場において公衆の見やすい場所に、所定の事項を記載した標識を掲げなければなりません

契約締結に関する義務


請負契約の締結に関しては、着工前書面契約の徹底契約書面への記載必須事項の規定等の義務があります。
また、自己の取引上の地位を不当に利用して工事原価に満たない価格で工事契約の締結を強制する行為や、契約後に自己の取引上の地位を不当に利用して当該工事に使用する資材等の購入先を指定し請負人の利益を害する行為についても禁止されています。

工事現場における施工体制等に関する義務について

工事現場への主任技術者の配置義務

建設業の許可を取得した者は、元請であっても下請けであっても全ての工事現場に主任技術者または監理技術者を配置しなければなりません

建設工事現場への主任技術者等の専任配置義務

個人住宅を除くほとんどの建設現場では、請負代金の額が3,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の工事に係る主任技術者または監理技術者は、当該工事に専任しなければならず、他の工事現場との兼務ができないこととなっています。

一括下請負の禁止

請負った建設工事について他者に一括して下請負する行為他社から建設工事を一括して下請負される行為双方が禁止されています。

特定建設業許可業者に関する義務

施工体制台帳・施工体系図の作成義務

民間工事では発注者から建設工事を直接請け負った特定建設許可業者が4,000万円(建築一式工事については6,000万円)以上を下請負して建設工事を施工する場合にあっては、当該建設工事に係る全ての下請業者を明らかとする施工体制台帳等を作成する必要があります。
公共工事では下請契約を締結した場合、その金額に関わらず施工体制台帳等を作成する必要があります。

下請負人への指導義務

発注者から建設工事を直接請け負った特定建設許可業者には、当該建設工事に係る全ての下請業者に対する法令遵守指導の実施法令違反を是正しない下請負人があった場合の行政庁への通報義務が課せられています。

下請代金の支払いに関する義務について

下請代金の支払い期日に関する義務 ※1

注文者から請負代金の出来高払または竣工払を受けたときは、その支払の対象となった建設工事を施工した下請負人に対して、相当する下請代金を1か月以内に支払わなければなりません。

特定建設業許可に関する義務

下請代金の支払期日の特例

特定建設業許可業者にあっては、上記※1の期日、または「下請負人(特定建設業許可業者又は資本金額が4,000万円い以上の法人を除きます)からの引渡し申出日」のいずれか早い期日内に下請代金の支払を行うことが必要です。

割引困難な手形による支払の禁止

特定建設許可業者が、下請代金の支払いを一般の金融機関による割引を受けることが困難と認められる手形により行うことは禁止されています。手形サイトが120日を超える手形については、割引困難な手形とみなされるので注意が必要です。

手形:記載された金額を定められた期日に支払うことを約束した証書
手形の割引:手形の支払期日前に金融機関等に買い取って現金化してもらうこと
手形サイト:手形の振出日から支払い期日までの日数